「イールドギャップ」を理解して不動産投資を成功させるポイント

イールドギャップは金融機関から融資を受ける際に「収益が出るかどうか」を簡単に測るための1つの投資指標です。不動産投資では銀行など金融機関から融資を受けることが多く、収益が出せるかどうかを判断する際の指標として正しく理解しておく必要があります。

しかし「イールドギャップ」は万能な指標ではありません。ですがイールドギャップの本質を理解することで物件購入の失敗を防ぐことができます。

この記事では、物件購入時の指標としてイールドギャップを活用してきた経験を元に、イールドギャップがどのような指標なのかについて分かりやすく解説いたします。さらに、今後日本ではイールドギャップはどう推移していくのかについても現役不動産投資家の視点からお話していきます。

この記事を読むことでイールドギャップの本質を理解すると同時に「今こそ日本で不動産投資をするべき」その理由を知ることができます。

イールドギャップを正しく理解して、更に「儲かる物件を見分けるための数字の見方」を身に付けることができます。

1.不動産投資におけるイールドギャップとはなにか?

不動産投資におけるイールドギャップとはなにか?

不動産投資における物件購入の際には、投資物件の「利回りがどれくらいか」を見ていくことになります。しかしそれだけでは不十分です。なぜなら、投資物件の利回りが高くても借入金の金利が高ければ収益性が低くなってしまうからです。

そこで必要となる指標がイールドギャップです。

イールドギャップとは簡単に言うと「利回り-金利」、借入金の金利と投資物件の利回りの差(ギャップ)と考えれば分かりやすいかもしれません。不動産投資で収益性を高くしていくためには、投資物件の利回りだけで判断するのではなく、イールドギャップで見て行く事が大切です。

例えば、投資物件の利回りが低くても低金利で借り入れができれば、イールドギャップがプラスとなり、収益が発生します。利回りが高い物件を高金利で借り入れするよりも、イールドギャップが大きくなり収益性も高くなる可能性があります。

投資物件の利回りが低くても、現在の日本のように超低金利でローンを組めればイールドギャップの値は大きくなり収益性は高くなりますので、投資対象として検討の余地ありと判断できます。

1-1.イールドギャップの実例(利回り8%と金利が4%、利回り6%と金利1%の例)

例えば下記のような2つの不動産物件を比較してみます。

■物件A:利回り8% 金利が4%
■物件B:利回り6% 金利1%

利回りだけで見ると、物件Aが投資物件として優秀に見えます。
しかしイールドギャップを見ると、物件A4%(8%-4%)、物件B5%(6%-1%)、物件Bの方が収益性の高い投資物件であることが分かります。

このようにイールドギャップを用いることで収益性の高い物件を簡単に見分けることができるようになります。

イールドギャップから考えると金利が低い方が有利であることをお分かり頂けると思いますが、そこでポイントとなるのが「銀行から良い融資条件を引く」ことです。イールドギャップは「利回り-金利」となるわけですから、良い融資条件を引き、低い金利で融資を受けることが不動産投資を有利に進めるポイントになります。

2.日本におけるイールドギャップの推移

日本におけるイールドギャップの推移

1990年代初頭の日本は「バブル期」と呼ばれる好景気まっただ中にありました。景気の良さから経営者を中心にお金を使いたがる人も多く、不動産の売買も活発で、需要に応じて不動産価格も上昇していきました。

こうしたバブル期の日本は、イールドギャップはマイナスでした。なぜなら利回りがとても低いからです。不動産価格は需要に応じて高騰するものの、賃料はそこまで上がりません。金利も当時は6~8%程度が相場でした。

対して都内物件などの表面利回りは2~4%、インカムゲインは期待できませんが、景気の良い経営者が現金で不動産物件を購入していたバブル期はキャピタルゲインを狙うのが不動産投資の主流でした。

しかしそんなバブル期も長くは続かず1991年を境に「バブル崩壊」を迎えます。それまでお金を使っていた人達が使わなくなり金利は急激に下がることに、バブル期6~8%程度が相場だった金利は2~4%程度まで下落することになります。

景気が悪くなると不動産物件も売れなくなり、金利の下落と同様不動産価格も暴落します。すると今度は「利回り」があがります。

なぜなら不動産価格が半分に暴落しても、賃料はそこまで下がらないからです。
家賃収入はそのままに不動産物件は安く変えるように、インカムゲインが主流の時代へと変化していきます。

イールドギャップはバブル崩壊前と後で逆転することになりました。バブル崩壊前の「イールドギャップがマイナス」から「イールドギャップはプラス」となる今の時代になったわけです。

イールドキャップがプラスの今の時代は「借金をして不動産投資をしても儲かる」状況にあるのです。

日本のイールドギャップの推移

年月 2009年01月 2010年01月 2011年01月 2012年01月 2013年01月 2014年01月 2015年01月 2016年01月 2017年01月
長期貸付金利[%] 1.592 1.386 1.221 1.212 1.13 1.097 0.972 0.939 0.817
利回り(一棟アパート)[%]※1 11.11 11.4 11.27 11.46 11.42 10.61 9.69 9.25 9.18
イールドギャップ[%] 9.518 10.014 10.049 10.248 10.29 9.513 8.718 8.311 8.363

長期貸付金利:日本銀行の貸出約定平均金利を参照⇒http://www.stat-search.boj.or.jp/index.html(外部サイトへのリンクです)
利回り一棟アパート:健美家 不動産投資ニュースを参照⇒https://www.kenbiya.com/news/c=1034/(外部サイトへのリンクです)
※1:2009年から2015年までは1~3月の第1四半期の値で計算

日本ではイールドギャップはプラスですが、年々ギャップは下がり傾向であることがわかります。

3.今後のイールドギャップの予想

今後のイールドギャップの予想

イールドギャップがプラスの今の時代、正しく収益物件を選べば「借金をして不動産投資をしても儲かる」わけですが、これまでも変化してきたように今後イールドギャップがどのように推移していくのかは気になるところかもしれません。

そこでここでは、家賃、融資、物件価格、3つの視点からイールドギャップがどのように推移していくかを考えていきたいと思います。

3-1.今後の家賃の傾向

「家賃」については、将来的に下がっていく可能性が非常に高いと考えます。
理由は、「賃料の透明化が進むことで競争が激化する」ことが予測できるからです。
不動産業界はブラックボックスと呼ばれる不透明な部分が多く、賃料を始め、少ない情報の中で物件選びを行っている現状があります。

インターネットの普及によりこうした不透明な部分はクリアになっていきます。
一部の不動産業者ではインターネットを活用した「オンライン内覧」なども実施しているように、賃料の透明化やインターネットを介したサービスの競争などが理由で競争の激化が予測できます。

仲介手数料、敷金・礼金無料を謳う物件が増加しているのも競争の激化を表しており、それに伴い「家賃は下がっていく可能性が高い」と考えるのが妥当です。

3-2.今後の融資の傾向

一方「金利」については、今後どんどんと上がっていくことが予測できます。
理由は、すでに長く低金利の時代が続いていて、上がることはあってもこれ以上下がること考えにくいことにあります。

超低金利時代とも言われる今の時代では、0~1%台での融資を受けることも珍しくはありません。ここ数十年の金利相場でも、最も低金利な時代だと言えます。

この低金利の状況が今後も長く続くとは考えにくく、実際住宅ローンは2016年10月が最も金利が低く、以降はゆるやかに上昇しているデータがあります。

こうした状況から、すでに上昇傾向に入っていて、今後はどんどんと上がっていく傾向にあると考えられます。

3-3.物件価格の傾向

不動産物件の「価格」は「2020年の東京オリンピックまでは上がり続ける」という人もいますが、私は「今がピーク」だと考えています。
理由は、不動産投資に対しての各金融機関の融資の引き締め傾向にあります。

不動産価格は、金融機関の融資状況に紐づいています。銀行がお金を出せば不動産を購入できる人が増え物件価格は上昇します。融資を引き締めれば買える人が減り不動産価格は下がっていきます。

アパートローンや事業性融資については、2017年4月以降各金融機関は引き締め傾向にあります。
今の引き締め傾向から考えると、今をピークに物件価格は下がる傾向にあると考えることができます。

家賃、融資、物件価格、3つの視点からイールドギャップの現状と今後の推移について見てきました。そこから言えることは「今こそ日本で不動産投資を始めるべき」ということです。先進国の中で、イールドギャップがプラスなのは、日本くらいです。

イールドギャップがプラスの今は「借金をして不動産投資をしても儲かる」状態でもあるわけです。

4.イールドギャップの目安

イールドギャップの目安

イールドギャップは金融機関から融資を受ける際に「収益が出るかどうか」を簡単に測るための1つの投資指標であることをお伝えしてきましたが、実際にどのくらいの数値を目安にすればいいのかは気になるところだと思います。

中古物件、新築物件などでも目安は異なりますが「最低6~9%」は必要であることを覚えておいて下さい。
理由は「空室リスク」「税金の支払い」などがあるからです。

満室経営が理想ですが、実際に不動産投資を行っていく中では空室がでることも考えておかなくてはいけません。空室が出ると収支は大きくマイナスとなります。得られた収益に対しても、後から税金が発生することを覚えておかなくてはいけません。

空室リスクや税金の支払いが後から発生すること、これらを踏まえると、不動産投資で安定したキャッシュフローを生みだすためには6~9%程度のイールドギャップが必要であることが分かります。

5.イールドギャップはあくまで一つの指標

イールドギャップはあくまで一つの指標

イールドギャップが不動産投資の収益性を判断する指標であることには間違いありませんが、とは言え万能なわけではありません。イールドギャップはあくまでも一つの指標であり、不動産投資で一番大切なのは「キャッシュフローをいかに手元に残せるか」で見て行くことです。

キャッシュフローと言う言葉は様々な使い方をされることがありますが、不動産投資においては「家賃収入から必要経費(減価償却費や所得税、住民税など)を全て差し引き、所得税や住民税、法人税などの税金支払いを全て加味した税引き後の利益(=キャッシュフロー)」であると考える必要があります。

例えば「家賃8万円、月々のローン返済が7・5万円」でも、キャッシュフローは+5000円とはなりません。なぜなら、ランニングコストや税金が発生してトータルの収支はマイナスになってしまうからです。

イールドギャップを表面的に理解していても、税務上の基礎知識を持たなければ、物件を買っても収益を生むどころか赤字収支を生みだしてしまうことになってしまいます。

イールドギャップを物件購入の1つの指標として見ていきながら、必要経費、税金なども踏まえたキャッシュフローで判断することが、失敗しない不動産投資に必要不可欠です。

キャッシュフローの計算方法は「収益物件の探し方」を解説している記事をご確認下さい。

6.まとめ

  1. ●イールドギャップは金融機関から融資を受けた際に、不動産が儲かるかどうかを簡単に測る一つの指標です。
  2. 低金利であれば、イールドギャップは有利になります。バブル期と比べて、今の時代はイールドギャップ有利な状況です。
  3. ●今の日本の金利の低さや、今後のイールドギャップの推移を考えても「イールドギャップがプラスの今こそ、日本で不動産投資始める絶好のタイミング」と考えられます。
  4. ●不動産の収益性を簡単に判断する際にはイールドギャップで見て行くのが有効です。しかし儲けが出るか正確に不動産の評価を行う場合には、経費や税金などを含めて計算する「キャッシュフロー」で見て行く事が必須となります。

まずは簡単なイールドギャップで物件を評価し、良さそうな物件だと思ったら、キャッシュフローを計算して物件を評価していきましょう。

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